睡眠が健康に不可欠であることは、多くの人が知っています。実際、毎晩十分な睡眠をとることで、認知機能の向上や体重増加の抑制、さらには心血管の健康状態の改善など、さまざまな効果が期待できます。
しかし、残念なことに、人によっては睡眠が簡単に取れないことがあります。なかなか寝付けないという人は、睡眠衛生を見直すことが効果的です。睡眠衛生とは何か、なぜ睡眠衛生が必要なのか、初めて耳にする方はぜひご一読ください。
睡眠衛生の定義
睡眠衛生とは、簡単に言えば、眠る前に行う一連の活動のことです。温かいミルクを飲んだり、パジャマに着替えたり、ホワイトノイズマシンを作動させたりと、様々な行動があります。睡眠の質を高めるために、寝間着やマットレスを買いに行く人もいるです。
しかし、睡眠の質を向上させるためには、そもそもなぜ眠れないのか、眠れないのかを知ることが大切です。マットレスに原因があると思われる場合は、自分に合ったマットレスの種類を確認してみましょう。
体のサーカディアンリズムを理解する
サーカディアンリズムとは、私たちの体が休息の時間と起床の時間を認識するための24時間周期のことです。体内時計の一部とも言われています。
夜更かしや睡眠不足が続くと、体はそれを概日リズムの異常と認識し、概日リズムをリセットしてしまい、正常な睡眠が得られなくなる。その結果、睡眠障害や日中の疲労感、将来的な健康問題が長引くことになります。
睡眠衛生を改善するための方法
体内の概日リズムの仕組みがわかったところで、睡眠の質を向上させるためにできることをご紹介します。
就寝前の習慣をつける
毎晩、寝る前の習慣をつけるようにしましょう。毎晩、決まった時間に寝ることで、体が睡眠の時間を認識しやすくなります。具体的な行動は自分次第です。歯磨きをする、瞑想をする、パジャマに着替えるなど、様々な方法があります。また、この時間帯は電子機器の使用を控えるようにしましょう。電子機器からの刺激で眠れなくなる可能性があります。
規則的な睡眠スケジュールを守る
睡眠時間と起床時間を一定にすることは、体が一日の睡眠時間を正確に認識するために重要です。これを何度も行うことで、規則的な睡眠スケジュールができあがり、自分の好みの就寝時間に近い時間に自然と眠りにつくようになります。
ベッドを清潔に保つ
睡眠の質を高めるためには、快適な睡眠のための環境を整えることが重要です。寝室を掃除する際には、特にベッドに気を配りましょう。散らかっているものを取り除き、上質なシーツや毛布、枕に投資することを習慣にしましょう。一日の疲れを癒すには、清潔なベッドに寝転んで、柔らかくて新鮮な毛布に包まれるのが一番です。
不必要な光や音を遮断する
リラックスした環境では、体が「邪魔されずに休める」と認識します。とはいえ、明るい光を浴びると夜眠れなくなることもあります。そこで、部屋を真っ暗にする遮光カーテンを購入するとよいです。また、耳栓を購入すれば、不要な騒音を遮断することができます。
夜はカフェインとアルコールを避ける
食生活も睡眠の質に影響します。できれば、カフェインなどの刺激物の摂取を控えるようにしましょう。刺激物はアドレナリンレベルに影響を与え、不必要に目が覚めてしまうことがあります。また、アルコールも同様です。鎮静作用があるとされていますが、寝る前に飲むと睡眠の質が低下し、不眠症や睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性もあります。
夜中のおやつは食べない
特に寝る直前は、消化のために大きな食事は避けましょう。満腹の状態で寝ると、呼吸機能に支障をきたし、夜中に目が覚める可能性が高くなります。また、寝る前に食事をすると酸が逆流し、睡眠時無呼吸症候群などの深刻な睡眠関連の病気を引き起こす可能性があります。
羊の群れを数えても、夜になると寝返りを打ってしまうことがありますか?
もしそうなら、自分の睡眠衛生状態を見直す必要があるかもしれません。
睡眠は、多くの人が十分に優先していないものです。意外と見落としがちですが、質の高い睡眠がとれないと、深刻な健康問題に発展しかねません。日々の生活や仕事に追われていると、適切な睡眠の習慣が身につかないことがあります。睡眠の質を向上させるための努力は惜しまないでください。心と体が喜ぶはずです。